
2026.07.25
沢木耕太郎さんの講演
沢木耕太郎の講演を聴き、旅の本質に触れた。
若き日の彼は「未経験」という財産を豊富に持っていた。
だからこそ、あの「取り返しのつかない旅」が生まれた。
何も知らないから、目にするすべてが決定的な衝撃となる。
その旅の残響は、50年経った今も彼の中で鳴り響いている。
歳を重ねた今は、過去の経験が今の旅を彩る。
記憶の層が重なり、小さな旅がより豊かなものに変わる。
特に心に響いたのは「途方に暮れる」という言葉。
一人旅の夜、どこで食べるか迷い、独り立ち尽くす時間。
効率を捨てて途方に暮れることは、実はとても贅沢。
独りで見た景色は深く心に染み込んでいく。
旅は、失敗することさえ許される自由な場所。
自分の勘だけを頼りに、また一歩踏み出したくなった。